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2 エネルギー代謝と化学式のおはなし(3)

2022年2月20日

細胞レベルの代謝のおはなしに入りましょう。

「狭い意味での代謝」でしたよね。

ただ、いきなり始めると「代謝される対象(栄養物等)」の種類の多さに

混乱してしまうといけませんので。

「糖」「タンパク質」「脂質」「核酸」の順番でおはなししますよ。

 

糖の代謝を考えたとき、大きく6つの通り道(ルート)があります。

でもそのうち3つは「1つの通り道の一部」を見ているだけなので、

「4つの通り道…1つについては3つに分けて見るよ」が正確なところです。

 

最初に、1つに分かれているところから見ていきましょう。

解糖系』『TCAサイクル(クエン酸回路)』『呼吸鎖(電子伝達系)です。

 

解糖系というのは、

1個のグルコース(糖)から、ATPを2つ取り出す過程(プロセス)。

他にも出てくるものはありますが、

それは糖質代謝の詳しい話ですることにしましょう。

 

TCAサイクル(クエン酸回路)は、

解糖系でできたピルビン酸がくるっと回ると、

4個の商品券1号NADH

1個の商品券2号FADHが出てくる過程(プロセス)。

これまた、糖質代謝のときにちゃんと説明しますからね。

 

呼吸鎖(電子伝達系)は、

商品券1号・2号をATPに変える過程(プロセス)。

商品券はどこでも使えるとは限りませんから、

細胞の中でどこでも使えるATP(エネルギー)に変える…と思ってください。

 

この『解糖系』⇒『TCAサイクル(クエン酸回路)』⇒『呼吸鎖(電子伝達系)』、

目的は糖からATPを取り出すことです。

前回勉強した、異化ですね。

次に糖新生

糖以外のもの…グリセロールや乳酸、アミノ酸等からグルコースを作ることが目的。

前回勉強した、同化にあたります。

わざわざ、ATPを使ってまでもグルコースを作りたい理由は、

前回の脳と赤血球ですね。

「グルコースの需要は多くて、それしか使えないから」

…ちゃんと思い出せましたか?

 

さらに『グルコースをグリコーゲンに変える』。

これは貯蔵型を作っているので、すぐわかりますね。

貯蔵の場所、肝臓と筋肉も思い出しておきましょう。

 

そしてペントースリン酸回路

これはグルコースから

リボース5リン酸と商品券3号NADPHを作る過程(プロセス)。

リボース5リン酸は、遺伝子のもと。

ここについては、結構先の「DNA・RNA(核酸):遺伝子」でおはなししますね。

以上が糖の代謝、大きく分けて4通りの概略です。

糖は「ATPのもと」ですが、他の物ともつながっていることが分かりましたよね。

次回は残った「タンパク質」「脂質」「核酸」の代謝です。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20220220更新)