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3 糖質と糖質代謝のおはなし(5)

2022年2月26日

今回は糖と糖代謝の中間地点。

「糖鎖で決まる血液型」のおはなしです。

 

一番有名な血液型は、ABO式血液型ですね。

これ、実は赤血球の表面にある糖の鎖で決まるんですよ。

 

赤血球は、私たちの体に酸素を運んでくれる大事なもの。

その表面をぐぐっと拡大してみると…糖の鎖(糖鎖が付いています。

その一番先端部に何が付いているか、が血液型を決めるんです。

全ての血液型に共通する部分(共通部)があって、

それ以外は何もついていないとO型。

共通部分があって、そのあとガラクトースが付いているとB型。

ガラクトース…単糖(ヘキソース)で出てきた、あの子です。

共通部分があって、そのあとNアセチルDガラクトサミンが付いているとA型です。

あれ?AB型は?

 

AB型は、ガラクトースが付いているもの(B型)と

NアセチルDガラクトサミンが付いているもの(A型)の両方が出ています。

 

ここまで分かったところで、血液型の判別検査を見てみましょう。

献血手帳か、母子手帳にのっているはずです。

例えば、母子手帳では「血液型」というページがあって、

そこに丸が2つ(中がぼんやり色がついているもの)あるはずです。

「ん?自分のはぼつぼつ赤い点々が見えるぞ」という人も、

「ぼんやり赤い…?何見てるのか分からないよ?」という人もいます。

ここ、赤血球表面糖鎖先端を抗原とした抗原抗体反応を見ているんです。

 

抗原抗体反応、懐かしい響きですね。

「1」の、花粉症の話を始める前に説明した、あれです。

あのときは侵入者である花粉が抗原。

私たちの体を守るガードマンが抗体でした。

今回の血液型検査で使う抗体は、わざと赤血球先端の糖を抗原にしてあります。

A型抗体は、A型抗原のNアセチルDガラクトサミンに反応するように。

B型抗体は、B型抗原のガラクトースに反応するように。

そしてこれらは抗原と反応すると、凝集という塊を作ります。

私たちヒトの目には、この凝集が粒々に見えるのです。

では、話を戻して…。

A型のところが粒々になっている人は、A型の抗体と赤血球が反応した証拠。

A型の抗体につかまるのはNアセチルDガラクトサミン付きの赤血球ですから…

そう、A型かAB型ですね。

B型のところが粒々になっている人は、B型の抗体と赤血球が反応していますから、

B型かAB型です。

つまり、両方粒々ならAB型。

どちらもぼんやりなら、O型です。

 

以上、血液型のおはなしでした。

糖の応用であり、抗原抗体反応の復習も出来ましたね。

次回は、いよいよ糖質代謝が始まりますよ!

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20220227更新)