9 呼吸器系のおはなし(2)肺(肺胞)と骨の基本(11)
骨だけでは、
重さを支えることはできても動けません。
「動く」ためには、筋肉と、
骨のつなぎ目の「関節」が必要です。
関節は可動性と支持性を備えた、
骨と骨とを連結する構造。
一般的なイメージ通りの関節は「可動関節」。
可動域がわずかしかない関節は「不動関節」です。
「呼吸のときに胸骨と肋骨が動く」というのは
不動関節にあたります。
イメージしやすい可動関節でおはなししますね。
可動関節は骨と関節軟骨、
滑膜、関節包、靱帯で出来ています。
2つの骨の端(骨端)を包む袋が、関節包。
関節包の中で
骨の端同士を直接つなぎとめておくところが靱帯。
関節包の内側は、
関節液の量と質を保つための滑膜に覆われています。
関節液は動くための潤滑かつ軟骨の栄養成分になる
糖タンパクや、
ヒアルロン酸を含んだ血漿に似た成分です。
関節軟骨は衝撃を和らげて骨を守るためのもの。
Ⅱ型コラーゲンと、
ヒアルロン酸と水分とコラーゲンがくっついた
プロテオグリカンが主成分。
ここも少しずつ作り直しが行われているところ。
作り直しのバランスが崩れると、
次回おはなしする「変形性関節症」になってしまいます。
半月板も衝撃を和らげるもの。
膝が有名かつ重要ですが、他の関節にもありますよ。
使われているコラーゲンは、骨と同じⅠ型です。
さらに衝撃を和らげているものとして
忘れてはいけないものが、椎間板。
中心の「髄核」という部分は、
水分が7~9割を占める白いゲル状。
菓子のグミのようなイメージです。
髄核の周りには線維輪というコラーゲンの層があります。
支持性と運動性を両立し、
荷重と衝撃を和らげる(緩衝)素晴らしい存在ですが…。
ここがつぶれてしまうと、
これまた次回おはなしする「椎間板ヘルニア」ですね。
以上、簡単な骨と関節についてのおはなしでした。