9 呼吸器系のおはなし(1)通り道と赤血球(5)
(2)気管支炎
気管支粘膜の炎症が、気管支炎。
原則2~3週間で治る急性気管支炎と、
それ以上かかる慢性気管支炎に分かれます。
急性気管支炎は主に微生物が原因で、
咳や痰、発熱等の症状が出ます。
痰が黄色の膿性だと、おそらく細菌性。
抗生剤が出されることが多いですね。
痰が白色の粘性だと、
ウイルス、マイコプラズマや肺クラミジアかもしれません。
こちらはそれぞれの微生物に応じた薬物療法ですね。
急性の基本は、3週間ぐらいまでには治ること。
でも肺胞(肺実質)の炎症…
肺炎になってしまうこともあります。
だから感染する前に手洗い、うがい、
マスク等で予防しましょうね。
慢性気管支炎になってしまうと、
咳や痰が3か月以上続きます。
痰が出ているということは、
追い出したい異物があるか、
分泌が必要以上に亢進しているということ。
分泌亢進の主原因はタバコの刺激。
炎症を起こしている気管支を広げる薬(気管支拡張薬)や
痰を出しやすくする薬(去痰薬)を使うことになりますが、
何よりもタバコを止めることが一番です。
慢性気管支炎の1つが「びまん性汎細気管支炎」。
細気管支(呼吸気管支領域)に、
広がって起こる(びまん性)慢性炎症ですね。
かなりの確率で、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)とセットです。
副鼻腔は、外気を加湿し、加温する迷宮でしたね。
慢性副鼻腔炎は長引く鼻づまり(鼻閉)、
鼻水(鼻汁)、咳、膿性痰と呼吸不全が特徴。
「副鼻腔で炎症を起こして、そのせいで
鼻腔の空気通過が妨げられて、呼吸がうまくできない。
さらに気道にまで炎症原因の細菌が入り込んだせいで、
咳も痰も出ている…」という状態。
だから慢性副鼻腔炎の治療
(抗炎症、抗生物質等の薬物療法)が行われると、
気管支炎の症状も軽減します。
いずれにせよ、膿性の痰が毎日大量に出ます。
夜間にたまるので、朝起きたらしっかり痰を出しましょう。
頭を下げた体位を取り、
タッピングやバイブレーターも活用して、
重力と振動の合わせ技で異物の追い出しをお手伝い。
かぜやインフルエンザ等の感染症で症状が悪化しますから、
家族ぐるみでワクチン接種の必要がありますね。
あとは咳によるカロリー消費を考慮した食事と、
不安定になりがちな精神状態をフォローしてあげてください。