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10 各論5:体温(感染・免疫):⑧過敏症(4)

2023年6月3日

目のトラブルは緑内障だけではありませんね。

感染は、目の周りでも起こります。

細菌が原因なら、

例えばゲンタマイシン硫酸塩(ゲンタマイシン)。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00053767

イメージしてほしいのは「ものもらい(麦粒腫)」ですね。

禁忌はその薬に過敏症のある人。

抗生物質のバシトラシン

(アミノグリコシド系)に過敏症のある人も、禁忌です。

 

真菌原因なら、一例としてピマリシン。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00057207

通常の免疫力がないときには、

目にも真菌増殖の危険がありますからね。

禁忌は薬そのものに対する過敏症ですね。

 

ウイルスにもいろいろありますが。

例えば単純ヘルペスウイルスに対しては、

アシクロビル(ゾビラックス)眼軟膏。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00053125

単純ヘルペスウイルスにはⅠ型とⅡ型があります。

Ⅰ型が口唇周辺で、Ⅱ型が性器周辺で発症しますが、

どちらも手指経由で目に感染する可能性がありますよ。

禁忌は薬自体に対する過敏症と、

同じくヘルペスウイルスに対する薬の

バラシクロビル塩酸塩の過敏症です。

あと、このお薬は「目に使う軟膏」なので

コンタクトレンズにへばりついてしまいます。

アシクロビル眼軟膏使用中は、

コンタクトレンズをお休みして眼鏡をかけてくださいね。

 

角膜の傷は、目の感染のきっかけになります。

コンタクトレンズを付けている人にとっては、

かなり身近な問題ですね。

 

角膜保護に使われる目薬の一例として、

「フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム・

コンドロイチン硫酸エステルナトリウム

(ムコファジン)」があります。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00007673

やたらと長い名前で頭が痛くなりますが…

落ち着いて見てみましょう。

「フラビンアデニンジヌクレオチド」はFADのこと。

これ、ビタミンB2のことです。

ビタミンB2にナトリウムがくっついたものは、

ビタミンB2補充薬(例えばフラビタン)としても使われます。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00004812

このビタミンB2補充薬は点眼薬以外にも、

代謝の補酵素として

口内炎・口角炎治療や滋養強壮にも使われます。

添付文書の下の方(「薬効」の部分)に、

『糖質・脂質・タンパク質代謝』の文字がありますよ。

まさに生化学のおはなしとつながっているところですね。

 

おはなしを点眼薬の方に戻して。

コンドロイチン硫酸エステルナトリウムは、

神経線維の補修目的でも使われます。

点眼薬として使うときには、水分をたっぷりと含み、

角膜が酸素も栄養分も不足しないようにしてくれます。

 

とかく、角膜を各種刺激から守りつつ、

付いた傷が早く埋まるように代謝を早めてくれるお薬が、

フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム・

コンドロイチン硫酸エステルナトリウムです。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20230603更新)