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6 各論1:脈・血圧(心臓):心筋梗塞・狭心症(2)血管拡張薬(5)

2022年12月14日

ニトログリセリン(ミリスロール)や

硝酸イソソルビド(フランドル)といった硝酸薬が、

血管を広げることは分かりましたね。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00059026

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00052559

注射剤だけではなく、急な事態の舌下錠や、

普段から予防の貼り薬(経皮吸収型テープ剤)、

徐放錠もあります。

使い方に自由があって便利なお薬ですが、

禁忌もちゃんと確認しておきましょう。

 

勃起改善薬

(シルデナフィル(バイアグラ)やバルデナフィル等)を

使っている人には、硝酸薬は禁忌。

降圧作用が強く出すぎてしまいますからね。

ひどい(高度の)貧血の人も、

降圧したせいでめまい・立ちくらみといった

貧血症状が悪化する可能性がありますので、禁忌です。

 

あと、注意しておかなくちゃいけないのが緑内障です。

理由は

「緑内障を悪化させる眼圧上昇のおそれがある」からですが…

ちょっとイメージしにくいかもしれません。

目の病気ですが、せっかくなのでここで簡単に説明しますよ。

 

緑内障は、房水という水分で保たれる目の圧力(眼圧)が

高くなりすぎたもの。

その結果、視神経圧迫と血流障害が起こり、

視力低下や見える範囲(視野)が狭くなります。

 

房水というのは、目の前の方

(角膜の内側から虹彩周りと水晶体の前の方)

にとっての血液代わり。

血液からできる、

透明かつ酸素と栄養分を含んだ液体が房水です。

ところがこの房水の流れるルートがどこかで詰まると、

房水がたまりすぎてしまいます。

出口を求めて房水の圧力が上がると、緑内障になるのです。

 

房水は血液からできます。

末梢血管が拡張して、

房水を作っているところを血液が通りやすくなると

眼圧上昇の可能性がある…

だから、硝酸薬が緑内障禁忌になるのです。

 

同様に緑内障禁忌になる薬は、

交感神経系刺激作用薬、副腎皮質ステロイド、

抗コリン作用のあるお薬です。

これらが禁忌になる理由は、

「散瞳(暗いところで瞳孔が開いている状態)」を

引き起こすから。

瞳孔の大きさを決める虹彩がぎゅっと幅を縮めた状態が、散瞳。

暗幕用のカーテンを開けて、

カーテンは隅でまとめている状態はイメージできますね。

まとめたカーテンは、もこもこと分厚くなっています。

散瞳して分厚くなった虹彩は房水の通過を妨げてしまい、

眼圧上昇につながるのです。

 

ここまで分かれば、虹彩と薬の対応も整理できるはず。

ドキドキしている(興奮状態)のときには、散瞳します。

だから交感神経系優位状態にする薬は、

緑内障悪化の可能性があって禁忌。

逆に交感神経系の働きを邪魔するβ遮断薬は、

緑内障のお薬として使われますよ。

 

副腎皮質ステロイドと抗コリン作用のお薬については、

次回おはなししますね。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20221214更新)