10 各論5:体温(感染・免疫):②細菌に効く薬(4)
クラリスロマイシンの禁忌を確認。
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00016704
禁忌は過敏症と、
肝臓や腎臓に障害があって
痛風治療薬コルヒチンを使っている人。
そして禁忌欄にある「各種の薬」を使っている人ですね。
「各種の薬」とクラリスロマイシンの代謝酵素が同じのため、
「各種の薬」の血中濃度が高くなってしまいます。
抗HCV薬(バニプレブル、アスナプレビル)や
抗悪性腫瘍薬(イビルチニブル)のような
普段使いしない薬なら気付くかもしれませんが…。
催眠薬(スボレキサント)や
片頭痛薬(エルゴタミン含有製剤)、
脂質異常阻害薬(ロミタピドメシル酸塩)、
降圧薬(かつ勃起改善薬:タダラフィル)、
血小板凝集抑制薬(チカグレロル)までもが禁忌です。
一度「え?この薬って禁忌になるの?」と思わないと、
なかなか思いだせないものです。
抗生物質自体が便利だからこそ、
添付文書をちゃんと読む癖をつけてくださいね。
そして肝臓や腎臓が悪いにも関わらず
痛風治療薬のコルヒチンを使っているときには、
コルヒチン血中濃度が高くなって中毒症状の危険です。
肝臓や腎臓が悪くなくとも、
コルヒチン自体が併用注意に入っていることを
確認してくださいね。
併用注意はすごく多いので、
クラリスロマイシン使用時に他の薬も飲んでいたら、
何はなくとも添付文書を読んでください。
動物実験では胎児奇形が報告されています。
乳汁に移行しますので、服用中は授乳中止になりますね。
スピラマイシンもマクロライド系抗生物質ですが、
どちらかと言えばトキソプラズマに効く薬として
注目されることが多いですね。
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00067625
過敏症が禁忌の他は、
抗不整脈薬とレボドパに注意してください。
抗不整脈の一部は心電図のQT延長を起こす可能性があります。
レボドパは、パーキンソン病に対して使う薬。
ドーパミンのもとになる薬です。
併用でレボドパの吸収が減りますから、
薬の効きが悪くなりますよ。
「トキソプラズマ」は原虫グループですね。
トキソプラズマのおはなしは
そこまで待っていてくださいね。
次回は「細菌だけどちょっと特殊」組のおはなしです。
【今回の内容が関係するところ】(以下20230503更新)