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10 各論5:体温(感染・免疫):②細菌に効く薬(4)

2023年5月3日

クラリスロマイシンの禁忌を確認。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00016704

禁忌は過敏症と、

肝臓や腎臓に障害があって

痛風治療薬コルヒチンを使っている人。

そして禁忌欄にある「各種の薬」を使っている人ですね。

 

「各種の薬」とクラリスロマイシンの代謝酵素が同じのため、

「各種の薬」の血中濃度が高くなってしまいます。

抗HCV薬(バニプレブル、アスナプレビル)や

抗悪性腫瘍薬(イビルチニブル)のような

普段使いしない薬なら気付くかもしれませんが…。

催眠薬(スボレキサント)や

片頭痛薬(エルゴタミン含有製剤)、

脂質異常阻害薬(ロミタピドメシル酸塩)、

降圧薬(かつ勃起改善薬:タダラフィル)、

血小板凝集抑制薬(チカグレロル)までもが禁忌です。

一度「え?この薬って禁忌になるの?」と思わないと、

なかなか思いだせないものです。

抗生物質自体が便利だからこそ、

添付文書をちゃんと読む癖をつけてくださいね。

 

そして肝臓や腎臓が悪いにも関わらず

痛風治療薬のコルヒチンを使っているときには、

コルヒチン血中濃度が高くなって中毒症状の危険です。

肝臓や腎臓が悪くなくとも、

コルヒチン自体が併用注意に入っていることを

確認してくださいね。

 

併用注意はすごく多いので、

クラリスロマイシン使用時に他の薬も飲んでいたら、

何はなくとも添付文書を読んでください。

 

動物実験では胎児奇形が報告されています。

乳汁に移行しますので、服用中は授乳中止になりますね。

 

スピラマイシンもマクロライド系抗生物質ですが、

どちらかと言えばトキソプラズマに効く薬として

注目されることが多いですね。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00067625

 

過敏症が禁忌の他は、

抗不整脈薬とレボドパに注意してください。

抗不整脈の一部は心電図のQT延長を起こす可能性があります。

レボドパは、パーキンソン病に対して使う薬。

ドーパミンのもとになる薬です。

併用でレボドパの吸収が減りますから、

薬の効きが悪くなりますよ。

 

「トキソプラズマ」は原虫グループですね。

トキソプラズマのおはなしは

そこまで待っていてくださいね。

次回は「細菌だけどちょっと特殊」組のおはなしです。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20230503更新)