12 各論7:呼吸(中枢・精神):⑥パーキンソン病の薬(1)

パーキンソン病でおかしくなってしまった神経伝達物質はドーパミン。

不足したせいで病気になってしまったのなら、

薬として補充してあげればよさそうですね。

ドーパミン補充薬のおはなしから始めましょう。

 

ドーパミン補充薬として、レボドパ(ドパストン)を紹介します。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00056046

ドーパミンそのものではなく、

ドーパミンの1歩手前(前駆物質)を入れるお薬です。

 

禁忌は本剤に対するアレルギーと緑内障の人。

緑内障の人では眼圧が上がる可能性があるからですが…少々補足しますね。

 

ドーパミンはフェニルアラニンから作られます。

必須アミノ酸の、フェニルアラニンですね。

そこからチロシンを経由して、L-ドーパが作られます。

L-ドーパはドーパミンの前駆物質。

まさにレボドパのことですね。

そしてL-ドーパからドーパミンが作られ…ここで終わりではありません。

一部の神経細胞ではさらに形を変えて

ノルアドレナリンやアドレナリンになってから働くのです。

そして瞳孔散大は交感神経系伝達物質のアドレナリンによって起こります。

抗コリン剤による「抗コリン作用」ばかりが、瞳孔散大ではありませんからね。

だから、レボドパを体内に入れると瞳孔散大が起こり、

房水がせきとめられて眼圧が上がるので、緑内障の人では禁忌になるのですね。

 

妊娠中の人や妊娠可能性のある人、授乳中の人には

「使用しないことが望ましい」と書いてあります。

乳汁に移行するので授乳は禁止。

動物実験では胎児に毒性があることが報告されています。

 

慎重投与対象は薬物代謝に直接関係する肝臓や腎臓に障害のある人。

重い心疾患や肺疾患のある人、気管支喘息や内分泌異常の人、

胃・十二指腸潰瘍の人や糖尿病の人も含まれていますね。

これはドーパミンからアドレナリン(交感神経系情報伝達物質)の流れを

思い出せばイメージしやすくなりますよ。

あとは眼圧上昇の可能性があるので

禁忌につながりうる緑内障の恐れある人や、

自殺傾向などの精神症状がある人は悪化の可能性がありますから慎重に…ですね。

 

併用注意として、レボドパの働きを弱めてしまうものがいくつかありますね。

ドーパミンそのものを減らす不随意運動治療薬テトラベナジンやピリドキシン。

ドーパミンの受容体をブロックしてしまう抗精神病薬

(フェノチアジン系、ブチロフェノン系)や

血管収縮・鎮痙薬のパパベリン塩酸塩。

レボドパとキレートを作って吸収を減らしてしまう鉄剤です。

 

ピリドキシンというのは、ビタミンB6のこと。

ビタミンB群は補酵素の一群ですが、

ビタミンB6はドーパミンを分解する酵素の補酵素としても働きます。

あまりに多く体内に入れてしまうと、レボドパを飲む意味がなくなってしまいます。

食事からの摂取だけなら気にする必要はありませんが、

清涼飲料水やサプリメントからはとりすぎ禁止ですよ!

抗精神病薬のフェノチアジン系やブチロフェノン系については、

次の統合失調症のところで出てきますからね。

 

次回は併用注意の続きからになりますよ。