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6 各論1:脈・血圧(心臓):不整脈・心不全(1)抗不整脈薬(1)

2022年12月14日

不整脈と心不全の薬のおはなしに入りましょう。

 

不整脈にはたくさんの種類があります。

薬で治療する対象になるのは頻脈性の不整脈。

頻脈の原因は自律神経(交感神経系)の命令過多か、

必要以上の電気刺激(収縮命令)が出ているせい。

どちらも適度に薬でブロックしてあげれば、

正しく整った脈にできそうです。

徐脈性不整脈については、

ペースメーカー等を用いて

足りない収縮命令を補うことになります。

 

まず、自律神経の興奮過多について。

交感神経系が興奮モード担当でした。

交感神経系の神経伝達物質はノルアドレナリンで、

受容体が4種類あって、

β1が心臓収縮に関係が深い受容体でしたね。

β(β1)遮断薬のおはなしは、

狭心症のところでおはなしした通り。

β2もブロックしてしまうと、

心臓以外の副作用

(気管支収縮でぜんそく)が出ることもお忘れなく!

 

次に電気刺激のコントロール。

こちらも細胞膜電位のおはなしですね。

ナトリウム・カルシウム・カリウムの

チャネルがありました。

カルシウムチャネルを邪魔する

カルシウム拮抗薬についても、

狭心症のところでおはなししましたよ。

心筋の収縮をゆっくりにする

ジルチアゼム(ヘルベッサー)の出番ですね。

 

ナトリウムチャネルを邪魔するお薬もありますよ。

それがナトリウム調整薬。

リドカイン(キシロカイン)、

ジソピラミド(リスモダン)などですね。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00051126

キシロカインは不整脈のうち期外収縮や頻拍、

急性心筋梗塞による心室性不整脈に使われますね。

期外収縮は、

心臓がしゃっくりを起こしたように

急にぴくっ!と収縮すること。

心臓の4つの部屋のうち、下の2つが心室ですね。

「心臓から血液を送り出すところ(心室)で、

急に血液が来なくなって動かなくなった

(心筋が死んでしまった:心筋梗塞)ときに出る、不整脈」が

「急性心筋梗塞による心室性不整脈」です。

急に変な収縮命令(電気刺激)が出ているから、

ナトリウムチャネルをブロックしてあげるのです。

 

禁忌は完全房室ブロックのような重い刺激伝導障害。

房室ブロックというのは、

刺激伝導系の一部(房室結節)の働きが悪くなったせいで、

上半分(心房)と下半分(心室)の収縮が

バラバラになってしまった状態。

もう薬でどうこうするレベルではなく、

ペースメーカーを埋め込む必要があります。

ここにナトリウム拮抗薬を入れると、

心臓が止まってしまう危険性がありますよ!

 

禁忌ではないけれど、併用注意のものがあります。

まず、血管拡張薬。

狭心症のところでおはなししたお薬と一緒に使うと

キシロカインが効きすぎる(分解遅延)可能性があります。

肝臓の血流量が低下するからですね。

そしてセントジョーンズワート(西洋オトギリソウ)。

こちらは分解酵素を増やしてしまうので、

キシロカインの効きが悪くなります。

セントジョーンズワートは

「リラックスできるお茶・サプリメント」として

気軽に手に入ります。

意外なところで薬の効きがいまいち…に

なってしまいますので、

これまた添付文書を読んでくださいね。

 

キシロカインは局所麻酔剤としても使います。

でも「抗不整脈用」と「局所麻酔用」は

アンプル等に含まれる成分が違いますので、

間違わないでくださいね。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20221214更新)