8 各論3:体温(消化器系):肝胆膵(3)肝臓・代謝異常(2:高脂血症1)

さて、改めて高脂血症のおはなし。

なぜ血液中脂肪が多いといけないのか。

…変な刺激を受けてしまって血管内壁にたまると、

動脈硬化から高血圧を引き起こしてしまうからでしたね。

ここ、高血圧のところでしたおはなしです。

 

本来は「変な刺激」の方をコントロールしたいので、生活習慣改善が第一です。

でも並行して多すぎる脂質を減らすこともできますよね。

そこで、高脂血症に働くお薬の出番です。

 

イメージしやすいのが、食べ物の脂質吸収を減らす方法。

胆石のおはなしの後なので、

胆汁酸の分泌を制限すれば脂質の吸収を減らせそう!と気付けますね。

胆汁酸をくっつけて(吸着させて)、

脂質の吸収を邪魔するのがコレスチラミン(クエストラン)。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00057524

これ、樹脂ですね。

薬の吸収のところで、

抗血栓薬のワーファリンと相互作用があるよ…と紹介してあります。

ちゃんと添付文書の併用禁止のところに

ワーファリンの名前がありますよ。

他にもコレスチラミンにくっついてしまう薬はたくさんあります。

胆石のところで紹介した、ケノデオキシコール酸の名前もありますね。

全部紹介はできませんので、

ちゃんと併用禁止のところを確認してくださいね。

 

あと、薬だけではなく脂溶性ビタミンもくっついて

吸収されにくくなりますから、欠乏症に注意ですよ。

 

コレスチラミンは家族性高コレステロール血症と

レフルノミドの除去で役に立つお薬です。

 

家族性高コレステロール血症は

「細胞膜のコレステロールを受け取るところが変!」の状態で

情報が遺伝してしまったものです。

LDLが細胞にコレステロールを届けに来たのに、

細胞の受容体が変なせいでコレステロールを受け取ってもらえません。

ずっとコレステロールを手にしたまま血液中をさまよっている状態です。

でも胆汁酸がコレスチラミンに吸着されて不足してくると、

肝臓はコレステロールを胆汁酸に作りかえます。

LDLはようやくコレステロールを手放すことができて、一安心です。

他の高脂血症でも

コレステロールから胆汁酸への作りかえは行われますが、幾分効果は控えめです。

「ちゃんと食事療法をすることが大事ですよ」と添付文書にも書いてあります。

 

レフルノミドというのは、関節リウマチのお薬。

感染・免疫のところで出てくる、自己免疫疾患の1つです。

そこで使うレフルノミドというお薬は、

かなり危険な副作用のオンパレード。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00049738

特定の症状が出たら、急いで血中濃度を下げる必要があります。

そんなときにはコレスチラミン。

レフルノミドが代謝された(活性化された)ものは、

胆汁中に排出されて、そこから腸肝循環で再吸収されます。

腸に出たところでコレスチラミンにくっついてしまえば、再吸収されませんね。

これなら新しい薬を入れなければ、血中濃度を下げることができますよ。