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8 各論3:体温(消化器系):小腸・大腸(2)大腸(2:下痢と便秘1)

2023年3月18日

大腸のおはなし、

続いて身近な下痢と便秘に入りましょう。

下痢は便の水分が多すぎるもの、

便秘は便の水分が少なすぎるものですね。

小腸のおはなし同様、

自律神経(特に副交感神経系)の

コントロールを受けているので、

自律神経の働きによって左右されるところでもあります。

 

まずは下痢のおはなしから。

下痢のときには、何はなくとも水分吸収。

可能なら、ミネラルを含んだ水分を補給してください。

下痢の原因として先の自律神経系異常のこともありますが、

最初に疑ってほしいのは細菌感染(感染性下痢)です。

 

病原体(ヒトの体に悪さをする細菌)が

腸内で増殖してしまった。

そんなとき「増殖を抑えつつ(可能なら殺菌して)」、

「細菌が出した毒素から腸を守り」、

「可能な限り早く体の外に出すこと」が重要です。

下痢は腸(特に大腸)内の病原体を体外に押し出す

大事な働き(「下痢の自浄作用」といいます)。

何も考えずに「下痢だ!止めなきゃ!」と

下痢止め(止痢剤)をのんでしまうと、

その苦しみが長引くことになります。

だから、下痢をしたら水分補給から。

それが続くようなら、病院ですね。

原因を明らかにしてから、それに応じた薬を使いますよ。

 

病原体の正体が細菌なら、殺菌は抗生物質のお仕事。

ここは感染のおはなしまで後回しですよ。

細菌の増殖を抑える薬が、いわゆる整腸剤。

ビフィズス菌

(お薬名だとラックビーやビオフェルミン)を入れて、

腸内の乳酸を増やします。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00060088

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00049765

乳酸のせいで腸内pHが酸性に傾けば、

病原体となる細菌は増殖しにくくなります。

 

病原体の正体がウイルスや寄生虫等だと

「粘膜保護や毒素からの防御」の重要性が上がります。

各種毒素の吸着に役立つのが、ケイ酸アルミニウム。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00048230

胃・十二指腸潰瘍の粘膜保護にも使われるお薬です。

そこで「透析時は禁忌!」とおはなししてありますよ。

(スクラルファートの、アルミニウムイオンのところです)

ただ、毒素だけでなく必要なはずの薬もくっつけてしまう

(吸着してしまう)ことがありますね。

寄生虫等を殺す薬等についても、

感染のところまでおまちください。

ウイルスは、追い出し戦術が基本ですよ。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20230318更新)