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8 各論3:体温(消化器系):口から十二指腸(2)食道・胃・十二指腸(4)

2023年1月9日

前回まで、

キーワード「胃酸」に関係するお薬を確認してきました。

途中でアセチルコリンの名前が

出てきたことからも分かるように、

自律神経系の影響が大きいところです。

精神領域の薬を飲んでいると、

アセチルコリンの働きを

促進(もしくは抑制)させるものが結構多くあります。

そんなときには、

ちゃんと消化器系の影響も心配してくださいね。

 

また、ストレスによって自律神経系の働きが悪くなっても、

胃酸周りは影響を受けてしまいます。

副交感神経系優位がどんなモードか、

副交感神経系が消化器系のどんな働きを担当しているか、

ここで復習しておくといいですね。

副交感神経系の有名どころ、

迷走神経の支配領域も見ておくと

理解がより深まりますよ!

 

胃のおはなしで忘れてはいけないのが、

ビタミンB12の内因子です。

 

ビタミンB12は、細胞分裂で欠かせないビタミン。

正確に言うなら、

細胞分裂をするための前提になる、

DNAの複製に必要なビタミンですね。

ビタミンB12の吸収には、胃から出る内因子が必要です。

 

胃癌等で胃の一部摘出(や全部摘出)をしてしまうと、

内因子の出るところもなくなってしまいます。

そのまま放置すると、

細胞分裂の盛んなところから悪影響が出てきます。

舌の味蕾、小腸上皮細胞、赤血球ですね。

そんなことになったら大変なので、

ビタミンB12を補給する必要があります。

 

原則としては、

注射(筋肉・静脈)でビタミンB12そのもの

(シアノコバラミン)を体の中に入れてあげます。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00051475

錠剤やカプセルのものもありますが、

「胃切除後貧血に対しては吸収が悪いよ」と

添付書面の下の方(効果効能)に書いてあります。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med_product?id=00055411-002

…吸収に必要な内因子がないせいで

吸収不足(欠乏状態)なのですから、

当然の結果ですね。

 

胃のおはなし、一段落。

ピロリ菌やアニサキスに対するお薬は、

感染症のところでおはなしすることにしましょうね。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20230109更新)