9 各論4:体温(内分泌系):視床下部・下垂体(1)
体温ブロックの2つ目。
内分泌系(ホルモン)に働く薬のおはなしに入りましょう。
大部分は、実は今までのところでおはなし済み。
途中で抜けていたところを補足していきますよ。
大まかな流れは上から下へ。
視床下部と下垂体の頭部パート、
甲状腺と副甲状腺の頚部パート、
副腎と性腺パートと進みますよ。
頭部パートは視床下部と下垂体。
視床下部はホルモンの大元締め。
下垂体が各現場に個別の命令を出す中元締めですね。
視床下部は下垂体に命令を出しますが、
下垂体は視床下部に命令できる立場ではありませんよ。
視床下部や下垂体から出る個々のホルモンについては、
生化学や解剖生理学でおはなししてあります。
忘れてしまっている人はしっかりと復習です!
視床下部や下垂体がおかしくなると、
そこから下のホルモン全てがおかしくなってしまうことを
イメージできるようになってくださいね。
視床下部や下垂体が変になってしまったときに、
薬は「補充療法」という形で役に立てますね。
例えば、視床下部から出る
ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)が不十分だと、
下垂体前葉から出る卵胞刺激ホルモン(FSH)や
黄体形成ホルモン(LH)の分泌が不十分になってしまいます。
これらは生殖器系に働くホルモンですから、
このままでは生殖不能になってしまいますね。
こんなときにゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)を
分泌させる薬がクロミフェンクエン酸塩(クロミッド)。
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00053887
これで卵胞刺激ホルモン(FSH)も
黄体形成ホルモン(LH)も出て一安心…と思いたいのですが、
影響がそれなりに広く出てしまいますよ。
次回は、
クロミフェンクエン酸塩の禁忌から確認していきましょう。
【今回の内容が関係するところ】(以下20230404更新)