9 各論4:体温(内分泌系):副腎・性腺(6)
普段から経口避妊薬を使っていなかった
(使えなかった)人が、
緊急時に使う薬が「緊急避妊薬(アフターピル)」。
一例としてレボノルゲストレル(ノルレボ)を紹介。
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00066208
性交から72時間以内、
早く飲めば飲むほど避妊できる「確率が上がります」。
「100%避妊できる!」ではありません。
不測の妊娠を望まないなら、
低用量経口避妊薬の方が安全確実です。
禁忌は重い肝障害と妊娠・授乳中。
肝臓は代謝(M)への悪影響が出るから。
妊娠中に飲むと、男児は女性化、
女児は外性器の男性化が起こってしまいます。
乳汁に移行してしまうので、レボノルゲストレルを飲んでから、
少なくとも24時間は授乳しないでくださいね。
慎重投与対象は肝臓・心臓・腎臓に障害がある人。
これらはいつものラインナップですね。
ただし、併用注意はちゃんと読む必要があります。
抗けいれん薬のような中枢神経系の薬や、
抗HIV薬(プロテアーゼ阻害、逆転写酵素阻害)、
抗結核薬のリファンピシンのような薬の中に…
セントジョンズワート
(西洋オトギリソウ)が混ざっています。
これ「リラックス!」を宣伝するお茶の中に
良く含まれている成分です。
いろいろあってリラックスしたい気分は分かりますが、
セントジョンズワートのせいで
レボノルゲストレルの効果が弱まっては一大事です。
「その飲み物には何が入っているのか」、
一度確認してみてくださいね。
性腺パート一段落。
副腎のおはなしに入りましょう。
副腎は表面側の皮質と、
内側の髄質に分かれていることはいいですよね。
髄質から出るのは、
交感神経系の神経伝達物質、アドレナリンです。
アドレナリン(やノルアドレナリン)については、
「脈・血圧」パートでα1~β2受容体のおはなしをしてあります。
あとは「呼吸」の中枢パート
(自律神経系と精神の関係)で出てきます。
交感神経系優位の興奮モードだと体はどうなるか、
脈・血圧パートを見直しておいてくださいね。
副腎皮質からは、
血液と尿のミネラル担当の鉱質コルチコイドと、
血糖値上昇と抗炎症担当の糖質コルチコイドが出ています。
次回は鉱質コルチコイド
(アルドステロン)のおはなしからです。
【今回の内容が関係するところ】(以下20230404更新)