7 体温のおはなし(4)内分泌系(代謝異常)(18)
4 ビタミンの異常
タンパク質代謝異常と同様に、
前面には出てこないけど
異常になったら大変なのが、ビタミン異常。
ミネラル異常については、ヨウ素(ヨード)は
前回甲状腺ホルモンのところでおはなししましたね。
鉄は呼吸のところでおはなしする予定。
残りの主なものについては
上部消化器系2(食道~小腸)ところでおはなししました。
なお、頻度及びスペースの関係上主に欠乏症の話になります。
脂溶性ビタミンを中心に過剰症が存在しますから、
安易にサプリメントに頼ってはいけませんよ。
特に妊娠中(妊娠初期)のビタミンA過剰症「催奇形性」は、
忘れてはダメですよ!
原則として、日本で普通に食事をしていれば、
そうそう欠乏症にはなりません。
でも「普通に食事」は意外と難しいもの。
低栄養や吸収障害、高齢者では気を付けないといけませんね。
脂溶性ビタミンは過剰症の危険がありますが、
欠乏症もありますよ。
ビタミンA欠乏症は暗いところで見えにくくなる夜盲症や、
角膜乾燥・消化吸収障害・気道の易感染性を含む
上皮細胞障害。
ビタミンD欠乏症は小児のくる病、成人の骨軟化症。
肝臓や腎臓の調子が悪いときには
骨粗鬆症も気にしてください。
ビタミンEはそうそう欠乏症を目にしないはず。
ビタミンKの欠乏症は出血傾向。
新生児メレナをお忘れなく!
水溶性ビタミンは、常に欠乏注意報。
ビタミンB1は四肢末端の知覚・運動障害の出る脚気と
意識障害や精神症状の出るウェルニッケ脳症が心配です。
ビタミンB2は舌炎・口内炎、皮膚炎。
ビタミンB6は皮膚炎、てんかん様発作、
多発性神経障害の恐れがありますが、
腸内細菌のおかげで欠乏症は出にくくなっていましたね。
ビタミンB12欠乏症は悪性貧血(巨赤芽球性貧血)。
葉酸と共に欠乏しやすい
細胞分裂に必要なビタミンセットでした。
ビタミンC欠乏症は
歯肉出血、皮膚や粘膜の点状~斑状出血等の壊血病でした。
以上、内分泌系と各種代謝異常のおはなしでした。
「体温は代謝だから、
甲状腺ホルモン分泌だけ気を付ければいいや」
…ではありませんでしたね。
ホルモンのフィードバックの存在だけではなく、
各種ホルモンの関係性が理解出来てきたはずです。
また、メタボリックシンドロームは
この分野だけのおはなしではありません。
今まで勉強したことの復習にもってこいです。
関連性を、自分でまとめてみてくださいね。
関係性を示す矢印を書くと、
あちこちがつながって「大変!」ということが分かりますよ。
次回からは下部消化器系のおはなしです。