12 各論7:呼吸(中枢・精神):⑤てんかんの薬(2)
クロナゼパムの禁忌から確認です。
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00051573
禁忌は本剤に対するアレルギーと緑内障、重症筋無力症。
緑内障と重症筋無力症が含まれる理由は、
GABA受容体刺激によって体がリラックスモードに入るから。
リラックスモードに入ると…副交感神経系優位になってしまいますね。
妊娠・妊娠可能性のある人や授乳中の人では「治療上の有益性が上回るとき」のみ。
やむを得ぬ…ぐらいの扱いですね。
乳汁に移行するので授乳禁止。
動物実験で催奇形性も認められています。
小児に対しては、安全性未確立ですよ。
クロナゼパムの慎重投与対象は、肝臓・腎臓に高度障害のある人。
衰弱している人や脳に器質的障害のある人、
呼吸機能が低下している人にも慎重に使わないと…
神経の情報伝達抑制が悪い影響を及ぼすかもしれません。
併用注意には他の抗てんかん薬や中枢抑制薬、
MAO(モノアミン)阻害薬やアルコールが含まれますね。
GABA自体はモノアミンではありませんが、
神経伝達物質が多く含まれるモノアミンの働きが邪魔されることで
GABAの働きが強く出る可能性があります。
あと「バルプロ酸ナトリウム」という名前がありますね。
これは抗てんかん薬としても使われますが、
そう病(または双極性障害のそう状態)、片頭痛にも使われるお薬です。
「これは頭痛薬だから併用注意に入っていないし大丈夫…」と見逃さないよう、
注意しておいてくださいね。
部分的てんかんにも全身性てんかんにも使われるのがゾニサミド。
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00062484
サルファ系と呼ばれる一群で、
ナトリウムチャネルを不活性化し、カルシウムイオンの流れ込みも抑制します。
ナトリウムとカリウムの面から細胞の電気発生・伝達を抑制するのですね。
禁忌は本剤に対するアレルギー。
妊娠・妊娠可能性のある人や授乳中の人には「やむを得ず」ですね。
乳汁移行と動物での催奇形性報告があります。
小児に対しても、安全性が確立されていませんよ。
慎重投与対象はゾニサミドの血中濃度を上げてしまう他の抗てんかん薬
(フェニトインも抗てんかん薬)や、
抗うつ薬の一部(三環系・四環系)が含まれます。