10 各論5:体温(感染・免疫):⑧過敏症(5)
点眼薬のビタミンつながりでもう1つ。
「目が疲れたー!(眼精疲労)」というときに使う点眼薬に、
シアノコバラミン(サンコバ)があります。
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00053103
他の目薬とは違う、赤色がかった点眼薬です。
その特徴的な色は、ビタミンB12(シアノコバラミン)の色。
ピント調節をしてくれる毛様体筋
(水晶体の厚みを変える筋肉)の
微細な調節を助けてくれます。
でも、点眼薬に頼りすぎることなく
意識的に遠くを見て
毛様体筋をマッサージすることをお忘れなく!
もちろん、点眼薬以外にも
ビタミンB12が薬として使われることがあります。
巨赤芽球性貧血が典型例。
赤血球はじめ血球減少でも使われる理由は、
「細胞分裂!」をキーワードにして
生化学でおはなししましたよ。
「胃切除の内因子不足による貧血」も
ちゃんと復習しておきましょうね。
白内障の手術をするときには、
瞳孔を広げる目薬(散瞳薬)が使われます。
例えばアトロピン。
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/medley-medicine/prescriptionpdf/530304_1311706Q2022_1_05.pdf
抗コリン作用(アセチルコリンを邪魔)がありますね。
逆に瞳孔を狭める目薬(縮瞳薬)もありますよ。
一例がピロカルピン塩酸塩(サンピロ)。
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00057469
こちらは緑内障のお薬です。
白内障の手術後には
非ステロイド系消炎鎮痛剤の点眼薬を使うことがあります。
例えば、ジクロフェナクナトリウムの入ったジクロード。
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00052683
シクロオキシゲナーゼを邪魔することで
プロスタグランジンができませんから、
痛みをはじめ炎症が治まります。
ただし、角膜炎や角膜潰瘍等の危険はありますので
忘れないでくださいね。
禁忌はこのお薬に過敏症の人ですよ。
過敏症(アレルギー)に使うお薬を紹介してきました。
今までは、免疫系は働きすぎているものの、
体の外の物を「異物!」と認定していました。
ここからは、
免疫系が自分の体を「異物!」と認定してしまう異常、
「自己免疫疾患」に使うお薬の紹介です。
【今回の内容が関係するところ】(以下20230603更新)