10 各論5:体温(感染・免疫):⑩がん(悪性腫瘍)(3)
がん(悪性腫瘍)に効く薬についておはなししてきました。
自分の細胞がおかしくなってしまうと、
薬で何とかするには
細胞分裂以外はどうしても狙いにくくなります。
そして細胞分裂を狙うと…
今度は正常な細胞分裂までも邪魔されてしまうのです。
細胞分裂が盛んなところ、ちゃんと思い出せますか?
胎児はもちろん、
成人してからも舌の味蕾、赤血球、小腸上皮細胞は
すぐに作り直しが必要でしたね。
これらが、がんの治療(薬物療法でも、放射線治療でも)で
ダメージが出てしまうところです。
特に赤血球は核がなく、自分では細胞分裂できません。
骨髄の造血幹細胞から作ってもらう必要がありましたね。
骨髄はがんに効く薬が抑制してしまうところです。
だから赤血球不足の貧血は重大問題となります。
そのまま全身細胞の酸素不足につながってしまいます。
しかも味蕾が変で味覚異常、
小腸上皮細胞が変で栄養吸収異常では、
全身細胞に必要な栄養分まで不足してしまうかもしれません。
「薬の働きで全身に何が起きているかを理解していますか?」
だから看護師国家試験でよく出題されるのですね。
以上が「体温」に深く関係してくる分野に効く
薬のおはなしでした。
消化器系、内分泌系、
感染・免疫と結構広範囲になりましたね。
次回からは
「呼吸」に関係の深いところに効くお薬のおはなしです。
【今回の内容が関係するところ】(以下20230603更新)