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7 各論2:脈・血圧(血管):高血圧・低血圧(2)昇圧薬(1)

2022年12月26日

低血圧のおはなしに入りますが…。

まず、低血圧の何がいけないのか確認しましょう。

 

低血圧では、

全身の隅々まで血液がめぐらない可能性があります。

特に臥位(寝た姿勢)以外で、

体の上の方にある頭(脳)に血液が届かないと、大変です。

正常ならば、

ホルモンや自律神経系がコントロールしてくれるのですが…。

ホルモンや自律神経系が正常に働けないと、

脳が血液不足になってしまいます。

それは困るので、薬でフォローしてあげるのです。

 

低血圧の原因は、

心臓の力不足(心不全)と

ホルモン・自律神経系異常に大別できます。

心不全については、「心臓」のところでおはなしした通り。

ここでは、ホルモン・自律神経系異常に注目ですね。

下垂体前葉機能低下、甲状腺ホルモン不足、

副腎皮質ホルモン欠乏(アジソン病)、

交感神経系がうまく働かない状態…だと血圧が上がりません。

 

ホルモンについては、

「体温」のところの「内分泌」まであとまわし。

今のところは「甲状腺ホルモンと副腎皮質ホルモンは

主に代謝の関係で血圧を上げることと関係しているぞ」と、

「下垂体前葉の働きが不調だと、

甲状腺ホルモンも副腎皮質ホルモンも出なくなるぞ!」

ということを確認しておきましょう。

生化学や解剖生理学で、

「下垂体はホルモンのコントロールセンター」と

勉強したところです。

 

さて、あらためてここでのメインは

交感神経系の働きを助けてあげること。

交感神経系の「神経伝達物質を増やす」又は

「神経伝達物質がはまるところを刺激する」お薬のおはなしです。

 

交感神経系の神経伝達物質はノルアドレナリンとアドレナリン。

ドーパミンも関係していますね。

これ自体を増やす(補充)ことで、血圧が上がりそうです。

 

代謝されてからノルアドレナリン(の前段階のドーパミンになる)

に代わるドロキシドパ(ドプス)もここに入りますね。

 

また「間接的に増やす」薬もありますよ。

本来なら、

受容体に一度はまった(取り込まれた)神経伝達物質は、

分解(不活性化)されます。

その「不活性化」を邪魔することで、

「増えた」ような働きをさせるのがアメジニウム(リズミック)です。

 

受容体を刺激する薬もありますよ。

交感神経系受容体を刺激するエチレフリン(エホチール)。

交感神経系のα受容体だけを

刺激するミドドリン(メトリジン)などです。

 

お薬の名前だけを先に紹介してしまいました。

次回、禁忌等を確認していきますよ。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20221226更新)