9 各論4:体温(内分泌系):副腎・性腺(7)
鉱質コルチコイド(アルドステロン)は、
体から出ていく尿量に関係していました。
だから「脈・血圧」パートのところでも少し出てきましたね。
尿量をコントロールする主役は
下垂体後葉ホルモンのバソプレッシン。
鉱質コルチコイドは尿量に関しては主役ではありません。
鉱質コルチコイドが主役になる場所は、ミネラルとpHです。
ミネラルの重要性についてはいろいろなところで勉強しましたね。
細胞外液に多いのは
ナトリウムイオン(Na⁺)と塩化物イオン(Cl⁻)。
少しだけですがカルシウムイオン(Ca²⁺)も
細胞外の方が多いミネラルですね。
細胞内液に多いのはカリウムイオン(K⁺)。
これらの適度な濃度差がないと細胞が電気を作れない
(筋収縮も神経細胞情報伝達もできない)…でしたね。
「薬でミネラルを補充!」というとき、
出番が多いのはカリウム補充製剤です。
嘔吐や下痢、降圧のために利尿剤を使ったときには
低カリウム血症を起こしやすくなります。
そんなときにはL-アスパラギン酸カリウム
(アスパラギン酸カリウム)などで補充です。
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00052410
禁忌は高カリウム血症(とそれを引き起こす病気)の人。
高カリウム血症はテント状T波で、心停止の危険でした。
エプレレノンというのは、利尿薬の一種。
利尿薬の中でも血液中カリウムを尿に出さないタイプの
「カリウム保持性利尿薬」です。
必要以上にカリウムイオンが尿に出ていかないのに、
そこにカリウムイオンを追加してしまったら、
これまた高カリウム血症の危険です。
あと、腎臓が悪い(腎不全)だと
高カリウム血症になりやすいことをしっかり確認。
アルドステロンの働きは、(特に遠位)尿細管に働いて
原尿からナトリウムイオンと水を血管内へと再吸収して、
カリウムイオンを尿に捨てること。
この働きがうまくできない「腎障害(や腎不全)」では、
捨てたいカリウムイオンをうまく捨てられませんよ。
併用注意の薬はアルドステロンを作らせないような薬や
カリウム保持性の利尿薬など。
併用注意の常連ヘパリンやジゴキシンにならんで、
消炎鎮痛剤(痛み止め)までもが併用注意です。
アルドステロンのpH調節に関係したお薬は
次回おはなししますね。
【今回の内容が関係するところ】(以下20230404更新)